芸術館のコレクション
芸術館のコレクション
「ビエンナーレ」は、イタリア語で「2年に1度の」という意味です。
1993年から、「手のひらの宇宙」をテーマに小型彫刻の国際公募展「洞爺村国際彫刻ビエンナーレ」が旧洞爺村により開催されました。作品のサイズを20×30×40㎝に厳しく限定したこの国際公募展は、2007年まで(2006年に合併により洞爺湖町)続けられ、8回開催されています(現在は休止中)。
洞爺村国際彫刻ビエンナーレには、ギリシャやハンガリー、ルーマニア、アメリカ、ベルギー、メキシコ、日本等々、本当に世界各国のアーティストから応募がありました。作品の素材も大理石や御影石、ブロンズやガラス、金属などさまざまです。
当館は過去の入選作・受賞作約85点を所蔵しており、2Fのビエンナーレ展示室ではその中から16点を、季節ごとに入れ替え常時展示。隣の収蔵室でも作品を鑑賞することができるようになっています。
○ 砂澤ビッキの彫刻・絵画作品
砂澤ビッキ(本名・砂澤恒男1931~1989)は、旭川生まれの北海道を代表する彫刻家です。木彫が専門。初期には阿寒湖畔、鎌倉、札幌を制作の拠点としていましたが、1978年から音威子府(おといねっぷ)村筬島(おさしま)の小学校跡にアトリエを構え、精力的に制作を行ないました。その作品は国際的にも高く評価されています。
当館「砂澤ビッキアトリエ展示室」には、荒々しいノミ跡が残る大型の彫刻や丸みを帯びた柔らかいイメージの作品、風の音が聞こえるような繊細な作品などの木彫と、力強いタッチで描かれた絵画を展示しています。
また、音威子府で実際に使用していた工具類や手作りの作業台で、ビッキのアトリエを再現しています。
○ 並河萬里(なみかわばんり)の写真作品
並河萬里(1931~2006) は東京出身。シルクロードを軸として世界の遺跡を撮り続けた世界的写真家です。1989年、ユネスコ世界遺産主席写真家として数々の学術調査に参画。1994年、紫緩褒章受章。1997年ユネスコ文化功労者に認められました。
当館2Fにある並河萬里作品は、旧洞爺村が「洞爺イメージアッププロジェクト」として、並河萬里に1996年から約3年間にわたって洞爺の風景撮影を依頼して制作されたものです。
○ 近・現代文学初版・限定本コレクション
当館のコレクションは、横浜市在住の石島成美(いしじま せいび)氏が約40年間かけて収集したものを、当館に寄贈されたものです。
有名画家による挿絵の入った、谷崎潤一郎や川端康成などの美しい初版本や、三島由紀夫の創作メモをそのまま復刻した『創作ノオト』、棟方志巧の著書、宮尾登美子の豆本など、めったに見られない豪華な本が約400冊集められています。